60代の暮らしと本のこと

60代、仕事と暮らしと本のこと

図書の時間と貸出のこと

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
昨日で今年の勤務は終了しました。
 
12月後半は、重点研の山場を乗り切りながら
空き時間が増えたので
その分ふだんできなかった掲示物をたくさん作ることができました。
 
年度途中ですが、前年度のような激しい怒涛の支援作業はなく
教室に行って支援することも少なくなりました。
学校司書の仕事はそこではないと思ったのか
先生方が昨年度の学校司書の仕事を見て、これは自分でできると気がついてくださったのか
その辺はいまいちわかりません。
むしろ図書の時間が減ったくらいで(図書を国語に、はあり)
クラス単位での貸し借りが減ったことにもつながるので
全体の貸出冊数は減少しています。
 
しかし、高学年の常連が増えたことで
5・6年生の貸出冊数が上がっているのはうれしいことです。
ま、ほんの一部の人で伸びてるだけですが。
 
4年生以上の不読者は非常に多く
学習の並行読書時に、せざるをえなくて読む
という子も多いのではないかと思います。
 
学校図書館に本を借りに来なくても自分で買って読んでる
という子もいますが
その多くは、つばさ文庫のノベライズやみらい文庫、サバイバルなどの学習漫画
悪いというわけではなく、
例えばノンフィクションを読んだり、科学読み物を読んだり
しっかりとした物語を読んでみたり
といったことがなく、偏ったままの読書になっていると思います。
 
図書の時間に来てもらうことで、
いろいろなジャンルの本を紹介したり
読書の提案をしたり、
アニマシオンなどで深く読書するということをしてみたり
という事もできるのですが
どうしても、来られないようです。
 
来るのは、調べ学習時に必要な人だけ(ほかはネットで)
というのが、まだまだ普通の状態です(旧態然ですね)。
それでも、レファレンスをすることで少しづつ図書資料などが使えることを知った児童が
自ら進んで図書館にきてくれるのはうれしいことですが
情報リテラシーを活用して出典を書くことや気をつけることなど
そちらも、まだまだ甘く、しっかり理解してくださっている先生は少ないです。
 
学校現場でも情報リテラシーの周知が今一つなのに、どうしてそれについて児童を指導できるのでしょうか。
先生方へのさらなる周知が急務だと思われます。
これからは新たな情報機器がどんどん出てくるしそれを踏まえた情報リテラシーなんだから
先生方もそれに合わせて研修する機会がないと困ると思います。
希望者だけとかではなく、しっかり全員が学べる機会をつくるべきだと思います。
 
ちょっと横道にそれました。
 
勤務校では、ゾロリを読むのは1・2年生、という風に定着してきています。
それから、読みたいと手にとる本のレベルが高い子も多いのですが
本当に読めているのかは、人によっては謎の部分もあります。
今の低学年の子は、背伸びして難しい本を読みたいと思う子が増えています。
また、内容が年齢的に上の子が読むような本も借りていきます。
(「泣いちゃいそうだよ」とか)
4年生は「恋愛ものはないの?」と聞いてきます。
 
そのような子たちに向けて、もちろん現代の事情に合わせた児童書も多く出ているので
紹介して渡すことも多いですが
反面、文章がしっかりとし内容がみっちりと
まさに、よく噛んで味わわないといけない優れた本も手渡したいと思っています。
 
本を紹介するときにはそのような本も織り交ぜながら紹介しますが
手にとってくれる子は増えていますがまだ少数です。
そういう子は、何も言わなくてもどんどん自分で読んだことない本にトライして
あたらしい読書の境地を切り開いているし楽しみを見出しています。
 
図書館に自ら来てくれる子は、まだいいのです。
来ない子に、どう手渡すかが問題なのです。
読書履歴が消えてしまう今の世の中では
図書館に来ないことが、即、いない子のような扱いになってしまいます。
そういった子に働きかける余裕や時間が欲しいと非常に思います。
 
教育に重要な力の一つ「読解力」を育む取り組みとして図書の時間を確保する!
事が、すべての学校の目標になってほしいです。
クラス単位で月1・2回でもしっかり来てもらえることで
ある程度解消できそうな気がするのは間違いでしょうかね…