昨年読んでよかった本 2
ウィリアム・グリル『カランポーのオオカミ王』岩波書店
絵本
シートンの『オオカミ王ロボ』を題材に、シートンのその後についてもあわせて描かれている。
グリルは、前作も非常に素晴らしかった『シャクルトンの大漂流』の作者だ。
一頭のかしこいオオカミ(ロボ)が群れを率いシートンと対決。
しかし、その事はシートンが自分の行動について考えを深めるきっかけになり、
その後のシートンは、ナチュラリストとして環境保護活動を行うようになる。
この絵本では、ロボが死んだあと
シートンが何を考えどう行動したのかまで、しっかりと描かれているところが素晴らしい。
表紙はニューメキシコのカランポーという場所で
キリムのような刺繍が施されたタペストリーを模した絵で物語を表現しているように見える。
絵は細かく描かれているが、状況がわかりやすく物語と非常にマッチしていると思う。