60代の暮らしと本のこと

60代、仕事と暮らしと本のこと

「ホテル・ルワンダ」

先日、 「ホテル・ルワンダ」という映画を

レンタルDVDで見ました。

これは、1994年、実際にアフリカのルワンダという国で起こった

ジェノサイド(特定の人種や民族を大量虐殺すること)の話です。

ここでおこなわれたジェノサイドとは

ルワンダで人口の9割を占める「フツ族」が

1割しかいない「ツチ族」を大量虐殺したことです。

虐殺は3ヶ月間も続き、100万人もの人が殺されたと見られています。

なぜこれだけ長い期間このような状態が放置され

ここまで大量の死者を出さなければならなかったのか・・・。

映画の中では、その点がいまひとつ弱いですが

それでも、考えさせられる事があまりに多い映画でした。

見ていると非常に重たいものがあります。

大量虐殺がおこなわれている現場で、

実在のホテルの実在の副支配人がおこなった、

勇気ある行動を描いた映画です。

(白人の経営する特権階級のホテルなので、

軍関係者に守られることも可能だった事。

ホテルの副支配人という経験と、思慮深さで

多くの人たちをかくまい、命を救う事が出来たなどの理由はありますが)

実は、子ども(小3・4・中2)と一緒に見ていたのですが

子どもは途中で、怖いから、もういい・・

といって、見るのをやめてしまいました。

この映画がどういう映画か、ということは

少し前に、人権の話がらみで

たまたま、この「ジェノサイド」の話をしていたので

だいたいの所知ってはいましたが

ドキュメンタリーでなくとも

そして、子どもに見せられないほどの

残虐な場面は見えてきませんが

(でも、人を殺したりするところは出てきます)

精神的に、きつかったようです。

同じ人間が、

このようにお互いの一方を

絶滅させてしまおうと思うくらいに、激しく憎み

それを実行してしまう・・・。

どこかで、狂ってしまった何かがあるとは思いますが

その原因を作った

「人間の悪意と人種偏見」

が恐ろしいと思いました。

人を、人として、みない

ここに全てがあるのではないでしょうか?

この話を理解しやすい本があります。

「希望へ! 人間は何をしてきたのか?~悲劇の現場をめぐって~」 

 桃井和馬・著

この著者の「あとがき」をぜひ読んでほしい、と思います。