60代の暮らしと本のこと

60代、仕事と暮らしと本のこと

主にY・Aあたりを読んでます ③

「僕とおじいちゃんと魔法の塔 ⑤」  (香月日輪:著  角川文庫)

これも文庫でシリーズ化してもう5巻目。

最初の感じに比べると、ちょっと中だるみな感じなのか・・。

主人公たちの会話の中で言いたい事というのが、今までの巻と同じ内容の意味合いで

多少飽きてきたところがあるかもしれません(わかったよ、という感じで)。

ただ、この巻の話の設定が思春期におこる悩みのひとつで

実は私も経験があったので、よくわかるというか

(思われる方として、ちゃんと受け止めようとするのに葛藤がないと言えば嘘になる)

普通の恋愛とは違い、思いを抱く方と抱かれる方の

自分の感情に対する不安と葛藤・切ない感じは、上手く描かれているのではと思います。

また、その話を分かりやすくたとえるために旧制高校の話が出てきたのもよくわかります。

不健康なことではなく、精神的にその道を通ってきてもおかしくないよ、と。

要は、そこから自分が成長すること、なんだと思います。

その辺は、きれいに書けているのではと思います。

ただ、シリーズの中に魔女のエスぺロスが出てきた時点で

私の感覚としては

ちょっとなんか違ってきたかも・・というのは正直な感想です。

「忍剣 花百姫伝(一) めざめよ鬼神の件」 (越水利江子:著  ポプラ文庫)

このシリーズも7年前に出た本が文庫版で新装出版されたもので、

1か月おきに出版されるようです。

あさのあつこ」さんが本の帯を書いていて

さらに、読売新聞の書評の欄でも絶賛されていました。

戦国乱世の世にあり、姫でありながら城主である親を打たれ

記憶を失い少年として盗賊に育てられる花百姫は

再び記憶を取り戻し、不思議な力に目覚めていく。

そして、その中で城が落とされたときに離れ離れになっていた神宝を持つ八剣士たちも

姫の元に集まり始め、強大な敵に立ち向かっていくことになるのです。

ただの時代劇ではなく、いわゆる「八犬伝」のようなファンタジー活劇で、しかも今風。

全7巻のようですが、読みすすめるのが楽しみな本です。