60代の暮らしと本のこと

60代、仕事と暮らしと本のこと

私の語りの覚え方

語りはどうやって覚えていますか、という事を聞かれたので

ちょっと簡単ではありますが

私の方法をお伝えしようかと思います。

私自身は長いものを覚える時間がないので

長くて15分くらい、のものまでしか覚えていません。

なので、長いものを語られている方とは覚え方が違うかもしれませんし

方法が合わないかもしれませんが、そこはご容赦ください。

基本は、公共図書館で行われた語りの講座に参加して覚えたもので

あとは、自分なりに工夫しています。

1、テキストを探す・決める。

講座でも習いましたが

「おはなしのろうそく」や「子どもに語る昔話」といった

語りのために書かれたお話のテキストを利用する、がまず基本です。

語りやすいように練られた文で書かれていますし、覚えやすいです。

あとは、語りたい物語(話)を、自分で語りやすいように直す、というやり方です。

こちらは、著作権等の問題もありますので大々的に変えるのではなく

言葉のちょっとした部分、ですとかでした、などの所を自分の語りやすい言葉にして

覚える、というものです。

なので、こちらの方も、物語でも自分で語りやすそうなものを選んで覚えます。

そして、テキストを決める時は、やっぱり自分の好きなお話にする、という事です。

自分が好きになれないお話は、

覚えるのが難しいし語ってみても身が入らないので相手に響きません。

自分が好きなものは語っていても楽しいし、それは相手にダイレクトに伝わります。

2、覚える。

まず講座で習ったことは

最初にしっかりお話を読んだら、お話を映画の様に場面にして頭の中に描いていく

ということです。

次に、場面を思い浮かべながらお話を覚えていきます。

文章を頭に浮かべるより映像を浮かべる方が楽です。

場面に言葉をつける感じで覚えていくと覚えやすくなるし

語る時に、そのお話の場面を見ていたかのように語る事も出来ます。

テキスト通りに覚えられれば一番いいのですが

言葉に引っかかってそこだけ覚えにくい、という事もあるので

そこは完璧!にしなくてもいいかと思います。

まずは、お話が自分のものになることが大事だと思います。

何度も読んで、「言葉に出して」覚えることは大事です。

これは実感ですが

頭の中で読んでいる時と、声に出した時では

話の速度や声のトーンが違ってきます。

意外と自分のイメージ通りにすぐ語れるものではありません。

また、声に出して語ってみたときにわかる事もあります。

何度も声に出して語ってみることは覚える近道だと思います。

また、私は自分の覚えた語りを録音して自分で聞きなおします。

話し方、声の高さ低さ、イントネーションや強弱、ポイントになるところなど

客観的に、直した方がより良いところがわかります。

こんな風にチェックしながら覚えていきます。

何十回何百回と練習するわけではありませんが

出来る時はどんどん練習していきます。

録音した自分の語りを聞きながら、覚える・練習する、という事もします。

   

3、語る

そして、実際に子どもたちや大勢の前で語る事が最大の練習実践、と言いましょうか。

聴き手の方には申し訳ないことではありますが

最初は上手くいかなくても、人前でやると自分のどこがいけなかったのか意外とわかります。

次回はそこに気をつけて事前練習に取り組めば良いのです。

語っている途中でまちがっても、知らないふりしてお話をつづけたり、

ちょっとお話を戻して、そこからやり直したり

少し間をあけたりして、やりすごしましょう。

あわてて「間違っちゃった~!」とは言わないようにしたほうが良いと思います。

いっても「あ、ごめんね」くらいでいいかなと思います。

いろいろ言ってしまうと、せっかくの語りの雰囲気が壊れてしまうからです。

厚顔、も必要なテクニックの内かなと思います。

ということで

何度も人前でやる事で自身がつき、さらに磨きがかかると思います。

1つお話を覚えると、次に覚える時は一番初めほど苦労しなくて済みます。

何故か、思ったよりすんなり頭に入ってくるのですよね。

語りを聞く子どもたちの姿は、きっと思っている以上に素敵です。

こちらの方が、楽しい時間を分けてもらっているような気持になります。

それから、他の人の語りを聞く、というのも大いに参考になります。

自分で思っていたお話と違ったものに聞こえることもあるし

(それで以外に素敵な話だったと気づくことも)

知らない語りを覚えるきっかけにもなるからです。

まぁ、自分が楽しめるという事もあるんですが。

これから語りを覚えようと思っている方、ぜひまず一つ、お話をどうぞ!