60代の暮らしと本のこと

60代、仕事と暮らしと本のこと

ブックトーク用の本

「お手紙レッスン」(サリー・グリンドリー)読了。

とてもいい物語でした。

マックスという男の子が本を読んでファンになった作家(D.J.ルーカス)に

ファンレターを出すところから物語は始まり

マックスと児童文学作家D.J.ルーカス(実は女性)との

手紙の往復書簡の形で話が進んでいきます。

マックスはルーカスに影響されてお話を書いてみようかと考えます。

手紙の中で、マックスは自分が小さくて体が弱い事

いじめっ子がいること、親友のベンのこと、学校のこと

いろいろなことを、少しずつルーカスに手紙で伝えていきます。

作者のルーカスはその思いを受け止めながら

マックスを励ましたり、逆に、作家として素晴らしい

と言われたりするなど、励まされたりしながら

つまり、マックスも作家のルーカスも

お互いに、気持ちを支えあう様になっていくところが

とても自然に書かれています。

マックスはいろいろな思いを乗り越えて

この本の最後の方で、いじめっ子に今まで言えなかったことをぶつけます。

マックスの言った言葉は、ルーカスが書いた物語の中の

女の子がいじめっ子に言った言葉でした。

作者冥利に尽きることと

マックスの心の成長を思う、とてもいい場面です。

そして二人とも、それぞれの物語を

ハッピーエンドで書き終えることが出来るのです。

この本自体が、作中のD.J.ルーカスの作品という事になっています。

こんな風にやり取りできるなら、手紙もとても楽しいものに違いない

と、子どもたち思ってくれるかな。

ちょっとトークに入れるには難しいけど紹介したくなった本です。