ブックトーク用の本
「お手紙レッスン」(サリー・グリンドリー)読了。
とてもいい物語でした。
マックスという男の子が本を読んでファンになった作家(D.J.ルーカス)に
ファンレターを出すところから物語は始まり
マックスと児童文学作家D.J.ルーカス(実は女性)との
手紙の往復書簡の形で話が進んでいきます。
マックスはルーカスに影響されてお話を書いてみようかと考えます。
手紙の中で、マックスは自分が小さくて体が弱い事
いじめっ子がいること、親友のベンのこと、学校のこと
いろいろなことを、少しずつルーカスに手紙で伝えていきます。
作者のルーカスはその思いを受け止めながら
マックスを励ましたり、逆に、作家として素晴らしい
と言われたりするなど、励まされたりしながら
つまり、マックスも作家のルーカスも
お互いに、気持ちを支えあう様になっていくところが
とても自然に書かれています。
マックスはいろいろな思いを乗り越えて
この本の最後の方で、いじめっ子に今まで言えなかったことをぶつけます。
マックスの言った言葉は、ルーカスが書いた物語の中の
女の子がいじめっ子に言った言葉でした。
作者冥利に尽きることと
マックスの心の成長を思う、とてもいい場面です。
そして二人とも、それぞれの物語を
ハッピーエンドで書き終えることが出来るのです。
この本自体が、作中のD.J.ルーカスの作品という事になっています。
こんな風にやり取りできるなら、手紙もとても楽しいものに違いない
と、子どもたち思ってくれるかな。
ちょっとトークに入れるには難しいけど紹介したくなった本です。