60代の暮らしと本のこと

60代、仕事と暮らしと本のこと

「なんにもないけどやってみた」

「なんにもないけどやってみた ~プラ子のアフリカボランティア日記」  (栗山さやか:著  岩波ジュニア新書)

ツイッターで私がフォローしている方が紹介されていた本で

ショップ店員の過酷さに驚いたというコメントで

娘が「ショップ店員になりたい」と、ずっと言っているので

これはいいかも?と思って購入してみました。

実際読んでみると、

本の表紙の写真を見るとわかると思いますが、いわゆるギャルの彼女が

109の店長にまで登り詰めた話はこの本のイントロに過ぎず

本筋は、アフリカでの更に過酷な医療現場でするボランティア・医療現場の現状・実態と

そこに来る、さまざまな病気の人や

アフリカのさまざまな国の民族と政治的な課題

が見えてきます。

具合の悪い人の描写はリアルで痛々しく、また悲しいものですが

彼女の目線はとても優しいもので、

リアルさとは裏腹に、病気に対する恐怖のようなものは感じられません。

何より、彼女が人として感じる痛みがとても大切なものに思えます。

イントロであっても、ショップ店員の仕事ぶりについてはかなりインパクトがあり

ただ憧れだけで働きたいと思っている人には

どんな仕事でも大変なことはあるのだ、という知識にはなると思います。

また、ブログから描き起こした本なので

文章がしゃべり言葉になっているところが、娘には、より入りやすかったようで

「すごいね」と言いつつも「何回でも読める」と既に3回目を読んでいます。

彼女のようにできるかと言われると、わからないとしか言いようがないですが

でも、「やってみないとわからない」ことって、たくさんあるかもしれません。