今年の1冊目 「ザ・ギバー~記憶を伝えるもの~」
どうやら復刊されるそうですので
新訳でも読んでみたいものですが・・
サブタイトルも少し訳が違うようですね。
で、絶版のほうでは
「ザ・ギバー~記憶を伝える者~」
とこんな感じです。
表紙が重苦しいですが
実際この顔の苦悩が正しいと思う私です。
裏表紙も読み終えた後理解できますね。
今で言う「ヤングアダルト」ジャンルの「SF」ということになりますので
読みやすく、わかりやすい感じで話が展開していきます。
ここで最も重要なものは
サブタイトルになっている「記憶」と思います。
「記憶」とは何か。
記憶とは、人が人として生きてきた
「証」の1つではないのか。
喜びも苦しみも痛みも・・すべて含まれた丸ごとが
その「人」を作っているのではないか
ということを考えさせられます。
「マトリックス」の源流を見る様でもあります。
それと、やはり「大人」になる、ということでしょうか。
12歳13歳14歳というのは、
いろいろな話の中ではこの歳がターニングポイントになる事が多いですね。
少年期から成年期へと移り変わる際の
心のゆれや不安・好奇心といった不雑になってくる感情。
この辺はブラッドベリに似たものを感じます。
ただ、私的には
ラストにやはり若干の不満と物足りなさを感じてしまいます。
読者に委ねた、と言ってしまえばよいのでしょうが
希望が見える何かが欲しかったなぁ・・という気がします。
さて、復刊されるあたらしい方ですが
あたらしい方が表紙の感じは良いですね。今風です。
帯の言葉は・・ちょっと狙いすぎ?