60代の暮らしと本のこと

60代、仕事と暮らしと本のこと

今年の1冊目 「ザ・ギバー~記憶を伝えるもの~」

どうやら復刊されるそうですので

新訳でも読んでみたいものですが・・

サブタイトルも少し訳が違うようですね。

で、絶版のほうでは

「ザ・ギバー~記憶を伝える者~」 

ロイス・ローリー作 掛川恭子・訳  講談社

とこんな感じです。

表紙が重苦しいですが

実際この顔の苦悩が正しいと思う私です。

裏表紙も読み終えた後理解できますね。

今で言う「ヤングアダルト」ジャンルの「SF」ということになりますので

読みやすく、わかりやすい感じで話が展開していきます。

ここで最も重要なものは

サブタイトルになっている「記憶」と思います。

「記憶」とは何か。

記憶とは、人が人として生きてきた

「証」の1つではないのか。

喜びも苦しみも痛みも・・すべて含まれた丸ごとが

その「人」を作っているのではないか

ということを考えさせられます。

マトリックス」の源流を見る様でもあります。

それと、やはり「大人」になる、ということでしょうか。

12歳13歳14歳というのは、

いろいろな話の中ではこの歳がターニングポイントになる事が多いですね。

少年期から成年期へと移り変わる際の

心のゆれや不安・好奇心といった不雑になってくる感情。

この辺はブラッドベリに似たものを感じます。

ただ、私的には

ラストにやはり若干の不満と物足りなさを感じてしまいます。

読者に委ねた、と言ってしまえばよいのでしょうが

希望が見える何かが欲しかったなぁ・・という気がします。

さて、復刊されるあたらしい方ですが

あたらしい方が表紙の感じは良いですね。今風です。

帯の言葉は・・ちょっと狙いすぎ?