60代の暮らしと本のこと

60代、仕事と暮らしと本のこと

図書の時間の「ブックトーク」について

学校図書館で、図書の時間にブックトークを行うことは非常に難しいことなのである》

ブックトークとは
ひとつテーマを決めて、そのテーマに沿った様々な分類・ジャンルの本を
トークで結びながらじっくりと紹介していく事

ブックトークの基本は5~6冊の本を30~40分程度の時間をかけて紹介していくものだが
通常の図書の時間でそれをやったら
子どもたちの本の貸借の時間を取れない可能性が高いのである
もちろん読書する時間も

とすれば、いわゆるブックトークは学校司書にとって
普段の図書の時間にできないことに近いものになるのである。

学校の先生は何かというとブックトークという言葉を使いたがるが
実はそんな簡単なものではないのである。

ブックトークをするには、シナリオもいるし、場合によっては小道具だって必要になる。
(実際、小道具やら何やらがあったほうが面白いものになる)

手間がかかるんです。
帰り間際にやってね、と言われて翌日にできるものではない。
少なくとも通常業務をこなしながら、ブックトークを考えるには1週間以上は必要だ。
自分がボランティアの時には半月はかけていた。

学校司書が図書の時間に簡単にできるとしたら
それはミニブックトーク(20分くらいで2・3冊)か
「本の紹介」のミニトークなのである。

で、私は、主に本の紹介のミニトークを10~15分くらいでよく行っている。

ミニブックトークだとわずかな本しか紹介できないので
興味を持った多くの子が借りられない確率の方が高くなってしまう。
せっかく紹介しても借りられないのは、紹介したほうも残念だ。
いくら予約ができても、いきなり何人待ちとかになることだってあるわけで。

やり方としては、読み聞かせをした後に関連図書を紹介したり
学年におすすめの本をざざっと物色しておいて
その中から何冊(4・5冊~10冊以上)かピックアップして
子どもたちが本に興味を持ってくれるように、あらすじを紹介したりしておこなっている。
もちろんその際には、前の本と次の本が関連あるように紹介する。
例えばネコつながりでとかコワいつながり・学校つながりで、とかいう風に。

本当にブックトークといえるようなことをしたのは
「授業支援」で、先生から依頼があったときに図書や国語の時間をまるっといただいて
おこなったものくらい。
それでも、テーマはあっても、分類をまたいだ本を紹介しているわけではないことがほとんどだ。

むしろ、図書ボランティアをしていた時の方が本来のブックトークができていた。

先生方がなんでもブックトークと言い習わしてしまっているので
めんどくさい私は、つい同様にブックトークと言ったり書いたりしてしまいがちだが
実は、その間には大きなギャップ(自分の気持ちにも)があるのである。