スティーブン・キング『任務の終わり 上・下』文春文庫
今週も結局本を購入してしまいました~。
キングの『任務の終わり 下巻』です。
- 作者:スティーヴン・キング
- 発売日: 2021/02/09
- メディア: Kindle版
上巻を読み終わり、続きに行きたかったので
買い物に出たついでに、書店によって購入しました。
ラストの方が知りたくて飛ばし気味で読了しました。
以下、ネタバレあり、になりますのでご注意を。
想像していた流れではありましたが
予想と外れたのは、意外とハッピーエンド風になってるな、ということでした。
犯罪を未然に防がれ、その時の大怪我が原因で動けなくなったサイコパスの犯人が、まさかの超能力(テレキネシス・サイコキネシス)覚醒(新薬投与のせいか脳の損傷のせいかは不明)。
ゲームに夢中になる⇒液晶画面の光の点滅により催眠状態に陥る
⇒そこで暗示をかけ、人をコントロール⇒死に追いやる(自殺させる)
自分が直接手を染めないところ、被害者の弱みに付け込むところ、が犯人の狡猾なところですね。
この辺りまでは、なるほど~という感じでしたが、
さらに
コントロールして人を動かすだけでなく、その画面を通して人の心(脳)に「実際に」入り込み、その人自身を乗っ取ってしまう。
身体という入れ物をゲーム画面を通して、あちこち移っていくことができるのです。
※この身体を移るというのは、ディヴィッド・レヴィサン『エブリディ』小峰書店
- 作者:レヴィサン,デイヴィッド
- 発売日: 2018/09/10
- メディア: 単行本
を思い出します。
という流れは、キングだな~♪と思いました。
まぁ、催眠状態になった人をコントロールして思いのままに動かす、というのも
催眠術で人を動かすことと同じで
そういう意味では人を乗っ取ってしまうことでもあるので、さらに深く突っ込んでも大きな違和感はないかもしれません。
主人公はガンに侵され余命の少ない元刑事今探偵。
その相棒は、これもまた超心理的っぽいですが、人にはない観察眼と直観のするどい女性。
私はラスト
もう少し無念な感じ(主人公は先に、ガンのためか犯人のせいで死んでしまう)、
でも決着(相方が犯人と対峙し犯人は死亡、もしくは逆)はつく
という風になるのかな、と予想していましたが
後半意外(?)なところからの助けもあり
ハラハラしながらも、そういう形で終わるかぁ・・・という感想でした。
主人公はガンで亡くなってしまうのですが
それは事件のせいではなく、普通に余命が尽きたというところでしょうか。
まあ、バッドエンドだと、この話は本当に(現実的に)怖くなってしまうので、これが良かったのかもしれません。
世界のゲーム人口は本当に多く(私もやります)、ゲームやネット依存になっている人が多いことも、この物語に影響を与えているのでしょう。
依存している私たちへの警告とも取れますね。
でも、久ぶりにおもしろかったです。